
「富士山に登ってみたい。でも、初心者でも大丈夫?」
そう思って調べると、持ち物や装備の情報はたくさん見つかります。
けれど実際に登ってみると、準備の段階では想像できなかったことも少なくありません。
2026年、家族で吉田ルートから富士登山に挑戦。
登りは休憩を含めて約9時間。途中から雨にも降られ、下山では体調を崩す場面もありました。
この記事では、その経験をもとに初心者が準備しておきたい服装・持ち物と、実際に登ってわかった注意点をまとめます。
1.初めての富士登山|まず知っておきたいこと
①初心者でも登れる?実際に感じた難易度
富士山は初心者でも挑戦できます。
ただし、「普段からジムなどに行っているから大丈夫」と考えるのは少し危険です。
私自身、日頃から体を動かしているため、それほど苦労しないだろうと思っていました。
ところが実際には、登りだけで休憩を含めて約9時間。想像していた以上に気力と体力を使いました。
富士登山では体力だけでなく、装備、天候への備え、高度への順応、そして無理をしない判断が大切だと実感しました。
②富士山には4つの登山ルートがある
富士山には、吉田・富士宮・須走・御殿場の4つの主要ルートがあります。
私たちは、山小屋が比較的多く、登山口までの交通手段も利用しやすいことから吉田ルートを選びました。初めての富士登山では、この安心感が大きな決め手になりました。

③2026年の吉田ルートで確認した主なルール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登下山道の通行料 | 1人1回4,000円(事前にネットで購入可能) |
| ゲート閉鎖時間 | 午後2時~翌午前3時(山小屋宿泊者を除く) |
| 登山者数 | 1日4,000人を上限 |
| 装備確認 | 防寒具・上下セパレート式雨具・登山に適した靴の持参をスタッフがチェック |
私たちはバスタ新宿を23時25分に出る夜行バスを利用し、予定より少し早い午前1時40分ごろに五合目へ到着しました。
標高はすでに約2,300m。外は真っ暗で、夏とは思えないほど冷え込んでいました。
2.富士登山初心者に必要な服装・装備
①登山靴
富士山は砂礫や岩場が多く、足元が安定しません。履き慣れたトレッキングシューズを準備し、本番前に一度は歩いておくと安心です。
②上下セパレート式のレインウェア
山の天候は変わりやすく、私たちも下山中に雨に降られました。
持参したのは、普段使っているワークマンプラスの上下セパレート式レインウェア。実際に雨の中を歩き、「持ってきてよかった」と強く感じた装備です。

③防寒着
登っている間は汗をかいても、立ち止まると急に冷えます。私たちはフリースとウルトラライトダウンを用意しました。
特に午前2時前の五合目では、防寒着の必要性を実感しました。
④インナー・パンツ・帽子・手袋
肌に触れる衣類は、汗が乾きやすい素材が便利です。帽子や手袋も、防寒だけでなく日差しや岩場への備えになります。
手袋は、雨天の場合のために水がしみてこない手袋なども持参すると万全です。
実際、今回の登山では雨が降ったので、防水手袋の使用は、手がぬれずに助かりました。
※五合目にて必要な装備(登山に適した靴・上下セパレート式の雨具・防寒具)のチェックがあり、全て持っている場合のみゲートを通過できます。実際にチェックがありました。不十分なものは購入するよう指示がありました。
3.富士登山初心者の持ち物チェックリスト
- ザック(25~30L程度)
- ザックカバー
- ヘッドライト
- 水・飲み物
- 行動食
- モバイルバッテリー
- 現金・小銭(トイレ利用に一か所200円~300円必要)
- 健康保険証
- 常備薬・ファーストエイド用品
- タオル
- ビニール袋
- 防水バック(雨等でぬれたら困るものを入れるため)
ザックは当初45Lも検討しましたが、荷物が増えすぎるため25~30L程度にしました。私が使用したのはコロンビアの25Lタイプです。
ヘッドライトはブラックダイヤモンドのアストロ300を新調。午前3時20分ごろの出発時はまだ真っ暗だったため、必須の装備でした。
行動食には、おにぎり、パン、エネルギーゼリー、固形の栄養食、羊羹、チョコレート、ナッツ、飴などを用意し、休憩時に少しずつ補給しました。
荷物は増やしすぎない
「念のため」と詰め込むほど、長時間の登山ではザックの重さが負担になります。
早朝、バスで到着してからの登山だと、ロッカー、手荷物預け所等もまだ利用できません。
必要なものを絞り、雨具や行動食など使用頻度の高いものは、すぐ取り出せる場所へ。荷物の量だけでなく、パッキングも大切だと感じました。
次に登るなら、下山時の膝や足への負担に備えて、サポーターやテーピングも準備したいと思います。
4.初心者が富士登山前に確認したい留意点
①近場の山で歩いてみる
私たちは高尾山に行き、準備しました。スケジュールが許せば、もう少し準備したかったです。
富士山の長時間登山は高尾山を歩くのとは別物でした。
登山靴を履き、ザックを背負って長く歩く経験をしておくことは大切だと感じました。
②天気・ルート・下山時間を確認する
富士山では天候が短時間で変わります。出発前だけでなく、直前まで天気を確認しました。
また、登頂だけを考えるのではなく、下山ルートも確認し、何時までに下山を始めるのかまで想定しておくことが重要です。
③登山届を提出する
私たちは登山届システム「コンパス」を利用しました。下山後には確認メールが届き、家族一人ひとりの下山を確認できました。
④五合目ではすぐに登り始めない

午前1時40分ごろ五合目へ到着しました。しかし、すぐには出発せず、総合管理センターで教えてもらった無料休憩所で体を休めました。午前2時前には開いていて助かりました。トイレもあります(登山前に利用可能状況をご確認ください)。
登山開始は午前3時20分ごろ。標高に体を慣らす時間をとることも、高山での大切な準備のひとつです。
5.実際に登ってわかった富士登山の注意点
今回の富士登山で最も強く感じたのは、「山頂に着いたら終わり」ではないということでした。
①登りは想像以上に長い
午前3時20分ごろに出発し、山頂へ到着したのは午後0時30分ごろ。
休憩を含めて約9時間かかりました。
途中で「もう無理かもしれない」と思うこともありましたが、少し休んではまた歩く。その繰り返しで一歩ずつ進みました。
②下山は登りとは違うつらさがある
山頂に着いた喜びも束の間。
山小屋であたたかい昼食をとって、少し休憩した後、今度は下山が始まります。
吉田ルートの下山道は、右へ左へと折り返すジグザグ道が延々と続きます。
私たちの下山時は雨。砂礫の道は歩きにくく、登りとは違う形で膝や脚に負担がかかりました。
「山頂まで使い切る」のではなく、下山するための体力を残しておくことが大切です。
③下山道はトイレが少ない
意外に困ったのがトイレでした。
私たちが下山した際、五合目までの間で利用できたトイレは3か所でした(状況により変動する可能性があります)。
利用できる場所では早めに済ませ、小銭も多めに準備しておくと安心です。携帯トイレも非常用として持っておくといいかもしれません。
6.高山病と体調管理|私が下山途中で歩けなくなった話
今回、私自身が最も怖さを感じた出来事です。
下山中の八合目付近で、突然、足が前へ進まなくなりました。胸のあたりが苦しく、娘から「唇が青いよ」と言われて、自分の状態がおかしいことに気づきました。
家族が下山途中に、直接総合管理センターへ連絡し、看護師の方からアドバイス(酸素の吸引、深い呼吸、身体を冷やさないことなど)を受けました。
その後は、深呼吸を繰り返しながら呼吸を整え、体調が回復してから下山を再開できました。
私は携帯酸素缶も持っていましたが、この経験から感じたのは、道具を持っているから安心なのではなく、異変を感じたら早めに人へ助けを求めることが大切だということです。
頭痛、吐き気、息苦しさなど、いつもと違う症状を感じた場合は無理をせず、山小屋やスタッフ、総合管理センターなどへご相談ください。
7.登った先にあった楽しみ|御朱印と金剛杖
大変なことばかり書いてきましたが、富士山には登ったからこそ味わえる楽しみもありました。
①素晴らしい景色
六合目と七合目の間で、河口湖、山中湖、駿河湾とオレンジ色に染まった雲海を見下ろせる、素晴らしい景色に出会えました。

②久須志神社で御朱印をいただく
山頂にある富士山本宮浅間大社の末社・久須志神社で御朱印をいただきました。
長い登りを終えたあとの御朱印は、いつもの参拝とはまた違う特別な一枚になりました。

③金剛杖に山頂の焼き印
金剛杖に山頂の焼き印を押してもらいました。
登った場所ごとに増えていく焼き印も、富士登山ならではの思い出です。

④剣ヶ峰は見送ることに
標高3,776mの剣ヶ峰にも行ってみたかったのですが、天候と時間、体力を考えて今回は見送りました。
「せっかくここまで来たのだから」と無理をしない。それも富士登山では大切な判断だったと思います。
8.まとめ|初心者の富士登山は「無事に下山するまで」がゴール
初めて富士山に登ってみて、準備の大切さをあらためて実感しました。
- 登山靴・上下セパレート式雨具・防寒着を準備する(五合目でチェックのある必須の装備)
- 早朝・夜間に歩く場合はヘッドライトを忘れない(暗闇を歩くには必須の装備)
- 荷物を増やしすぎず、必要なものを厳選する
- 五合目では高度に体を慣らしてから出発する
- 水分と行動食をこまめに補給する
- 登頂後の下山に必要な体力も残しておく
- 下山道のトイレは早めに利用する
- 体調がおかしいと感じたら無理をしない
私は登る前、「普段から体を動かしているから、なんとかなるだろう」とどこかで思っていました。
実際の富士山は、そんな考えを簡単に覆すほど大変でした。
それでも、苦しくなったら休み、また一歩進む。その繰り返しで山頂までたどり着くことができました。
そして今回いちばん心に残ったのは、山頂に立つこと以上に、家族全員で無事に帰ってこられたことです。
山頂到達がゴールではなく、無事に下山するまでが富士登山。
これから初めて富士山に挑戦する方に、この体験が少しでも役立てばうれしいです。
関連リンク
この記事は、2026年9月4日現在の情報がもとになっています。天候、登山道、交通機関などの状況は変わる可能性があるため、実際に登る際は必ず最新の公式情報をご確認ください。



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