
梅雨の晴れ間に、友だち家族と1泊2日で山梨・勝沼を旅してきました。さくらんぼ狩り、ワイン、山梨名物のほうとうを楽しむのが今回の目的です。
友だち家族とは現地集合だったため、まず向かったのが待ち合わせ場所である真言宗智山派 柏尾山「大善寺」でした。
「お寺だから、初日一発目は食べることや飲むこととは関係ないだろうな」
——そう思っていたのですが、実際に訪れてみると、大善寺は国宝の本堂を持ち、ワインの試飲まで楽しめる、いろいろな意味ですごいお寺でした。
この記事では、大善寺の見どころ、由来、そして人気ドラマのロケ地情報まで、実際に訪れた体験をもとに詳しく紹介します。
大善寺とは?

大善寺は山梨県甲州市勝沼町にある真言宗智山派の寺院で、通称「ぶどう寺」として親しまれています。
1955年(昭和30年)に本堂が国宝に指定された、歴史的価値の高いお寺です。
大善寺には「民宿大善寺」という宿泊施設もあります。
車でのアクセスは、中央自動車道「勝沼IC」を降りて国道20号を東京方面へ約2分。
国道20号沿いにあるため非常に見つけやすく、道に迷いやすい方でも問題なく到着できます。
普通車40台分の無料駐車場も完備されています。
なぜ「ぶどう寺」と呼ばれる?由来を解説
大善寺のパンフレットにも記載されている「ぶどう寺」という別名。
その由来は、本尊である薬師如来像が、左手にぶどうを持っていることにあります。
一般的な薬師如来像は、健康や長寿をもたらす仏様として、左手に薬壺(やっこ)を持っているのが特徴です。しかし大善寺の薬師如来像は薬壺ではなく、ぶどうの房を手にしています。
大善寺を開いたのは僧侶・行基(ぎょうき)です。
修行中に見た霊夢(神仏のお告げが現れる夢)に、ぶどうを持った薬師如来像が現れ、その姿を自ら彫って安置したことが、大善寺開創の由来と伝えられています(参照:大善寺公式サイト「縁起」)。

大善寺とぶどうの関わりは、これだけではありません。
- 日本最古とされるぶどうの木がある
- 行基が勝沼にぶどう栽培を広めたとされる
- 境内で実際にぶどうを栽培している
- ぶどうのついたお守りも授与されている
こうした背景を知ると、「ぶどう寺」という呼び名にも自然と納得がいきます。
大善寺でワイン・ぶどうジュースの試飲体験
大善寺のもうひとつの魅力が、参拝前にワインやぶどうジュースの試飲ができることです。
駐車場入り口すぐの受付棟では、拝観料に加えて、グラスワインまたはぶどうジュースは300円、抹茶は500円で楽しめます。ワインとぶどうジュースが同価格というのも嬉しいポイントです。
靴を脱いで上がる広間からは、拝観料に加えて、グラスワインまたはぶどうジュースは300円、抹茶は500円で楽しめます。
県指定文化財とされる庭園(江戸時代初期の作庭とされる)を眺めることができ、参拝前のひとときをゆったりと過ごせます。運転担当の方はワインが飲めない点だけ、少し残念に感じるかもしれません。



シャインマスカットレーズン
ぶどうジュースには、シャインマスカットのレーズンが添えられていました。見た目はやや小ぶりなオリーブのようですが、上品な甘さが感じられる一品です。
試飲で気に入れば、大善寺特製の赤・白ワインをボトルで購入することも可能です。
大善寺公式サイトによると、住職自らが境内で栽培したぶどうを使い、醸造まで手がけているとのことです(参照:大善寺 ぶどうの配送ページ)。
お寺でワインを醸造しているというのは一見不思議な組み合わせに思えますが、開山した行基が勝沼のぶどう栽培を広めた歴史を踏まえると、むしろ必然的なつながりと言えそうです。

国宝の本堂(薬師堂)と貴重な文化財の数々
大善寺の見どころは「ぶどう寺」としての側面だけではありません。
関東周辺で最も古い木造建築物としても知られる、貴重な文化財の宝庫でもあります。
ぶどうを持った薬師如来像が安置される本堂(薬師堂)は、鎌倉時代中期の建立で、築720年以上。1955年に国宝に指定されました。

拝観時には案内スタッフによる解説を受けることもでき、以下のような貴重な文化財を間近で知ることができます。
- 薬師如来像:国指定重要文化財。秘仏として厨子(ずし)内に安置されており、公開は5年に1度のご開帳時のみ
- 厨子:本尊を安置するための小さなお堂のようなもの。本堂の「附(つけたり)」として国宝に指定
- 日光菩薩像・月光菩薩像:薬師如来像の両脇に安置、国指定重要文化財
- 十二神将像:薬師三尊を囲むように配置、国指定重要文化財
薬師堂の中だけでも十数点の国指定重要文化財が安置されており、大善寺が文化財の宝庫であることがよく分かります。


武田勝頼・理慶尼ゆかりの歴史と甲州唯一の戊辰戦争地上戦
大善寺は、山梨県ゆかりの戦国武将・武田氏とも深い関わりを持つ場所です。
甲斐の戦国武将・武田信玄の跡を継いだ息子の勝頼は、武田氏滅亡が近づく中、自ら築いた新府城(山梨県韮崎市)を発ち、天目山(山梨県甲州市)を目指す途上で徳川・織田連合軍に行く手を阻まれ、自決したと伝わります。
その直前、戦勝を祈願して一泊したのが大善寺でした。当時の様子を記録したのが、大善寺に今も伝わる「理慶尼(りけいに)の記」(別名「武田勝頼滅亡記」、県指定文化財)です。
理慶尼は勝頼の乳母であり、出家後は大善寺に住んでいた人物とされます。理慶尼の墓も、現在の大善寺境内にあります。
それから約290年後、大善寺の山門前は再び歴史の舞台となります。
幕末の戊辰戦争において、**近藤勇率いる甲陽鎮撫隊(旧幕府軍)と板垣退助率いる新政府軍が激突した「柏尾坂の戦い」**の地です。わずか2時間の戦闘で新政府軍が圧勝したと伝えられており、江戸時代の終焉を象徴する出来事のひとつとされています。

ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のロケ地としても有名
参拝を終えて試飲会場に戻ると、館内に見覚えのあるポスターが。
お寺の方に尋ねたところ、大善寺は2016年放送のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」第3話のロケ地だったことが分かりました。

主演の新垣結衣さん(森山みくり役)、星野源さん(津崎平匡役)が演じた印象的なシーンの数々が、大善寺の境内で撮影されています。
- ゆりちゃんが「このあといいとこ連れてってあげる」と話す場面 → 山門
- 「このお寺で作ってるのよ」とワインを注ぐ場面 → 座敷の広間
- みくりが平匡を探して階段を上がるシーン → 楽屋堂前の階段
- みくりが「平匡さんが一番好き」と告げるシーン → 薬師堂内
- みくりの「邪魔しましたか?」のセリフの場面 → 稚児堂


放送後、大善寺の参拝者数は10倍近くに増えたとされ、人気ドラマのロケ地であることが観光にも大きな影響を与えたことがうかがえます。
まとめ
大善寺は、旅の待ち合わせ場所という位置づけをはるかに超えた、見どころ満載のお寺でした。
奈良時代にルーツを持つ歴史の重み
- おいしいワインとぶどうジュースの試飲体験
- 国宝の本堂と数々の重要文化財
- 人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のロケ地としての魅力
山梨・勝沼を訪れる際は、ぶどう狩りやワイナリー巡りの前に、ぜひ大善寺にも立ち寄ってみてください。次回はぜひ、5年に1度のご開帳のタイミングで訪れたいと思います。
大善寺 基本情報(アクセス・駐車場・拝観料)
| 項 目 | 内 容 |
|---|---|
| 住所 | 〒409-1316 山梨県甲州市勝沼町勝沼3559 |
| 電話番号 | 0553-44-0027(FAX:0553-44-3153) |
| アクセス(車) | 中央自動車道「勝沼IC」から国道20号を東京方面へ約2分 |
| 駐車場 | 普通車40台、無料 |
| 拝観時間 | 夏期(3〜11月)9:00〜16:30(受付終了16:00)冬期(12〜2月)9:00〜16:00(受付終了15:30) |
| 拝観料 | 大人500円(団体20名〜300円) 小・中・高校生300円(団体20名〜200円) |
| 定休日 | 行事等により拝観不可の日あり(事前確認推奨) |
| 公式サイト | daizenji.org |
【アクセス】
中央自動車道「勝沼IC」を降りて国道20号を東京方面へ約2分
🌐 公式ホームページ
📔 noteでも発信中

.png)