介護医療院で「受診を減らしてください」と言われた…他科受診制度を調べてわかったこと【体験談】

介護医療院で受診を減らしてくださいと言われた。高受診制度を調べてわかったこと。

「施設の収入が減ってしまうので、耳鼻科の受診は2か月に1回にしていただけませんか。」

介護医療院に入所している98歳の叔母について、施設からこのような連絡がありました。

必要な医療なのに、施設の事情で受診回数を減らすよう求められる――。

「これは制度上仕方のないことなの?」「家族はどう対応すればいいの?」と疑問に思い、調べてみました。

この記事では、実際に体験した出来事をもとに、介護医療院における外部受診の考え方や、家族として確認しておきたいポイントをお伝えします。


1.この記事でわかること

  • 介護医療院で「受診を減らしてほしい」と言われる理由。
  • 外部受診に関する制度の考え方。
  • 家族が確認しておきたいポイント。
  • 困ったときの相談先。

2.「受診を減らしてください」と言われて戸惑った日

「施設の収入が減ってしまうので、耳鼻科の受診は2か月に1回にしていただけませんか。」

介護医療院に入所している98歳の叔母について、施設からこのような連絡がありました。

叔母は鼓膜に穴が開いており、耳鼻科の先生からは「月1回の耳垢除去が必要です」と説明されています。

放置すると中耳炎などのリスクが高くなるため、本人の負担を軽くするためにも必要な処置です。

それなのに、

「施設の経営にも影響するので……」

という理由で受診回数を減らしてほしいと言われ、私は戸惑いました。

「必要な治療なのに、施設に入っているという理由だけで受診回数を減らさなければならないのだろうか。」

そんな疑問が頭から離れませんでした。


3.介護医療院では外来受診に制限があるの?

介護医療院は、療養上の管理、看護、医学的管理のもとで介護も受けられる施設です。¹

施設内で対応できる医療は施設内で行われますが、耳鼻科、眼科、皮膚科など、施設の体制だけでは対応しにくい診療については、外部の医療機関を受診することがあります。入所しているからといって、必要な外部受診が一律に禁止されるわけではありません。²

私は「なぜ受診回数を減らしてほしいと言われたのだろう」と疑問に思い、制度を調べてみました。


4.調べてわかった外部受診の考え方

調べてみると、介護医療院では、入所者への医療や介護を施設内で提供することを前提に介護報酬が算定されていることがわかりました。³

そのため、入所者が外部の医療機関で受診する場合、その内容や状況によっては、施設側の報酬算定に影響が出ることがあります。とくに、介護医療院サービス費に含まれる診療を他の医療機関で行った場合、その費用は算定できないとされています。³

制度の趣旨としては、施設内で提供される介護・医療と外部医療との関係を整理し、同じ内容について重複した評価にならないようにするという考え方があります。³

ただし、実際の取扱いは、受診内容や医療機関との関係、施設側の判断によって異なる場合があります。⁴


5.制度は理解できても、違和感は残った

制度の考え方は理解できます。

施設も限られた介護報酬の中で運営しているため、経営上の事情があることもわかります。

しかし、それでも私には一つの疑問が残りました。

必要な医療を受ける機会まで減らされてしまってよいのでしょうか。

今回のケースでは、耳鼻科医から「月1回の受診が必要」と説明されています。

もし施設側の事情だけで受診回数を減らしてしまえば、症状の悪化や本人の苦痛につながる可能性もあります。

制度はあくまでも制度です。

本来は、高齢者が安心して必要な医療を受けられるように運用されるべきものではないかと感じました。


6.家族が施設から「受診を減らしてほしい」と言われたら

今回の経験を通して感じたのは、家族も制度の基本を知っておくことの大切さです。

もし施設から同じような話があった場合は、次のような点を確認すると安心です。

① 主治医に本当に受診間隔を変更してよいか確認する

まず確認したいのは、医師が本当に受診回数を減らしても問題ないと考えているかどうかです。

施設からの説明だけではなく、診察した医師の判断を直接確認することが大切です。

② 医師の指示内容を確認する

診療情報提供書や診療記録などで、「月1回必要」といった医学的な指示が出ているか確認しておくと安心です。

施設との話し合いでも根拠になります。

③ 施設に理由を詳しく聞く

「制度上どういう扱いになるのか」
「施設としてどのような考えなのか」

を冷静に確認しましょう。

説明を受けることで誤解が解けることもありますし、双方が納得できる方法が見つかる場合もあります。

④ 必要であれば第三者にも相談する

どうしても納得できない場合は、

  • ケアマネジャー
  • 市区町村の介護保険担当窓口
  • 地域包括支援センター

などへ相談することも選択肢の一つです。

家族だけで抱え込まず、第三者の意見を聞くことで解決の糸口が見つかることがあります。


7.家族だからこそできること

介護医療院に入所すると、日々の介護や医療を施設にお願いすることになります。

だからこそ、家族がすべてを把握するのは簡単ではありません。

しかし、

  • 医師はどのような治療方針なのか。
  • 施設はどのような理由で提案しているのか。
  • 本人にとって何が一番よいのか。

この三つを確認することは、家族だからこそできる大切な役割だと思います。


8.まとめ|制度よりも大切にしてほしいこと

今回、介護医療院における外部受診の仕組みを初めて知りました。

制度自体を否定したいわけではありません。

介護施設も厳しい経営環境の中で運営されていることは理解しています。

それでも私は、高齢者が必要な医療を必要なタイミングで受けられることが、何より優先されるべきだと感じました。

長年この国を支えてきた高齢者が、最後まで安心して必要な医療を受けられる社会であってほしい。

今回の出来事が、日本の介護制度について考えるきっかけになれば幸いです。


脚注

  1. 介護医療院は、療養上の管理、看護、医学的管理のもとで介護も受けられる施設です。mhlw.go
  2. 入所者が施設内で必要な医療を受けることが困難な場合は、協力医療機関等への転医や対診を求めることが原則とされています。mhlw.go
  3. 介護医療院サービス費に含まれる診療を他の医療機関で行った場合、その費用は算定できないとされています。mhlw.go
  4. 外部受診の取扱いは、受診内容や施設・医療機関の関係によって異なる場合があります。pref.saga.lg

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